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耳鳴り
耳鳴りとは?
1)耳鳴りとは?
耳鳴りとは耳の中で音が聞こえる状態をいいます。
中には頭の中でなっているように感じる頭なりを訴える人もいます。
ほとんどが自覚的耳鳴りといって自分にしか聞こえない耳鳴りですが,希に他覚的耳鳴りといって他人にも聞こえる耳鳴りもあります。
原因やメカニズムはまだ正確に解明されていません。
2)耳鳴りの頻度
耳鳴りを自覚している人は、10人に1〜2人ぐらいといわれますが、ある程度の年齢になると3人に1人に耳鳴りを認めるとする報告もあります。
耳鳴りによって強い苦痛を感じている人は100人に1〜5人とする報告が多いようです。全く音のない部屋にはいるとほとんどの人が耳鳴りを自覚するとする報告もあり、最近では耳鳴り自体は生理現象に近いものと考えられています。
3)耳鳴りの検査
@ 聴力検査
A 耳鳴り検査(ピッチマッチ検査、ラウドネスバランス検査など)
B 耳鳴り問診票、耳鳴り苦痛度の問診票
C 耳についてのX線検査
D MRI、CT
E 心理テストなど
4)耳鳴りへの対応
上記の検査にて治療必要な耳鳴り以外の疾患が見つかった場合は、その治療が優先です。
まためまい、難聴を伴う耳鳴りについてもまずめまいや難聴の治療が優先されます。耳鳴り以外に治療すべき疾患がなく耳鳴りが気になる場合治療の対象となります。
5)耳鳴りの治療
1)薬物治療:循環改善剤、ビタミン剤、筋弛緩薬、抗不安薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、漢方薬、局所麻酔薬など
2)音響療法:マスカー治療など
3)心理療法:バイオフィードバック療法、自立訓練法、認知療法など
4)Tinnitus Retraining Therapy(TRT)
※耳鼻咽喉科まつだクリニックでは、薬物治療を中心に治療しております。TRTは当院では行っておりません。
6)耳鳴りについてのいくつかの疑問
@ 耳鳴りは加齢変化か?
たしかに年齢とともに耳鳴りを訴える割合は増えるようです。しかし小児の13%にも耳鳴りがあるとの報告もあります。年齢とともに聴力も変化するため耳鳴りを感じやすくなるのかもしれません。
A 耳鳴りと聞こえ(聴力)の関係は?
耳鳴りと何らかの聴力障害がセットで生じることは比較的多いのですが、本人が自覚しない程度の難聴のこともあります。日常生活にあまり影響のない程度の難聴は、あまり自覚しません。ただし急な耳鳴りに伴う聴力低下の中には早く治療を開始した方がいい病気もあります。心配であれば、一度耳鼻咽喉科専門医の診察を受けて聴力検査をすることをおすすめします。
ただ耳鳴りがあっても難聴がない場合もありますし、完全に聴力のない人でも耳鳴りを自覚しない人もいます。
B耳鳴りは消すことができるのか?
残念ながら現段階で誰にでも効く耳鳴りを消す治療法はありません。なかには治療によって耳鳴りが消失した人もいますが、特効薬はないのが現状です。しかし、ここで重要なのは消す必要が必ずあるかということです。耳鳴りはしていても気にしていない人はたくさんいますし、その人の生活に特に支障はありません。つまりうまく耳鳴りとつきあうことができれば、特に生活に支障がないということです。たとえば高血圧や糖尿病のようにうまくコントロールすることができれば、症状が現れずうまくつきあっていける慢性疾患と同じです。耳鳴りで苦しんでいる人は、耳鳴り自体に苦痛を感じている人です。現段階において耳鳴りを消す治療が完成されていないため最近はこの苦痛を和らげる治療が注目されています。つまり耳鳴りを消すのではなく、耳鳴りを忘れるための治療です。最近特に注目されているのがTRTという治療です。(TRTは、当クリニックでは行っていないため春日井市民病院などに紹介させて頂いています)
耳鳴りについて院長からのアドバイス
画像検査や遺伝子治療、再生医学をはじめとする最新の診断法、治療法など、近年の医療技術の進歩には目を見張るものがあり、難聴に対しても人工内耳や人工中耳などの先端医療が臨床応用され、大きな成果をあげています。しかし、耳鳴の診療に目を向けてみると、これまでの半世紀に臨床導入された画期的な診断法や治療法はほとんどありません。これは、耳鳴が疼痛と同じような自覚症状であり、その発現や感じ方・苦痛度が多様であることや、耳鳴の発生機序が解明されていないこと、耳鳴の他覚的検査法が確立されていないことが原因です。米国やドイツにおける疫学調査では人口の約15%が何らかの耳鳴を有しており、その内の約20%が治療を要する激しい耳鳴を有しているとされ、日本でも300〜400万人が頑固な耳鳴による苦痛に悩まされていると報告されています。近年の高齢化やストレス社会から、耳鳴は今後ますます増加すると考えられています。
耳鳴とは「明らかな体外音源がない状態で感じる音覚」と定義されます。
耳鳴の治療は大きく原因疾患の治療と耳鳴の対症療法に分類されます。原因となる難聴等がある場合はそれが改善することによって耳鳴も軽快、消失する可能性があるため、難聴やめまいなどの内耳障害がある場合はその治療を優先します。また中耳炎などの伝音機構の障害による難聴、耳鳴に対しては鼓室形成術などの聴力改善手術を行う事がありますが、手術前に耳鳴に対する効果を予測することが困難であるという言われています。また、突発性難聴などの急性感音難聴に合併する耳鳴も原因疾患に対する治療によって改善する可能性があります。しかし、耳鳴の多くは回復が困難な何らかの慢性感音難聴によるものであり、この場合は耳鳴に対する治療も対症療法が中心となります。対症療法としては、静かな所では耳鳴りは気になりやすくなるので耳鳴り以外の音をまわりで流してあげることです。好きな音楽やクラシック、環境音楽などでもいいですが、周波数の幅の広い意味のない音が推奨されていますのでFMラジオのバンドノイズなどがおすすめです。
このような慢性耳鳴に対する治療の一つのポイントは、耳鳴を有する人の20%が激しい耳鳴を有する反面、残りの80%という大多数が日常的には耳鳴による苦痛を感じることなく生活を送っているという事実です。このことからも、必ずしも耳鳴治療の最終目標を耳鳴の消失におく必要がないことは明らかです。耳鳴りは、患者にとって得体の知れない不安な音と認識されることが多いため、ネガティブなイメージの音ととらえられていることが多いようです。耳鳴による苦痛の程度は耳鳴による不安や耳鳴への意識の集中など、心理的要因に左右されるが多いので、耳鳴り以外に治療すべき疾患がないかどうか耳鼻咽喉科専門医を受診しその不安を解消することが重要と考えます。耳鳴り以外に治療すべき疾患が無く苦痛度が強くない場合は耳鳴りの治療の必要はありません。
耳鳴りがあり不安な場合はまず、耳鼻咽喉科専門医を受診し鼓膜の状態の確認、聴力検査、必要な場合はMRI検査など治療必要な耳鳴り以外の疾患がないか確認してもらいましょう。(耳鼻咽喉科まつだクリニックでは、隣接するおおのクリニックでMRI検査も可能です。)
詳しくは医師に直接相談してください。